カートをみる マイページへログイン ご利用案内 お問い合せ サイトマップ
RSS
 

養蚕と海野宿(信州・東御市)

養蚕と海野宿(信州・東御市)

記録的な猛暑がやっとおわり、ひと夜明けたら、鳥肌の立つように冷え込む秋がやってきた。さて、今年の紅葉はどうなのだろうか。長野県東御市の信濃鉄道「田中駅」近く、千曲川に沿った海野宿は、旧北国街道の旅籠の雰囲気を遺した詩情ゆたかな所だ。

教育委員会の説明によると、寛永年間に開設された海野宿は、本陣と脇本陣が復元され、防火壁の役目をする立派な「卯建」や「海野格子」の格子戸が当時のままで旅人を迎えてくれる。北国街道は、中山道と北陸道を結ぶ役目をしていた。約六町の宿場には、中央を流れる用水の両側に百軒あまりの旅籠がびっしり軒を連ねていたとういう。いまもその面影が、暮らしの中に遺されている。重要伝統的建造物保存地区に指定されている街並みを、秋の陽差しを浴び、その昔に思いを馳せながら、散策するのもよかろう。

明治維新で宿場としての機能はなくなったが、その後、広い客間を利用して養蚕がが行われるようになった。用水路の辺に植えられた桑の葉が流れに影を落とし、海野宿歴史民族資料館では、養蚕が行われた頃の資料が展示され、暮らしの変遷にふれることができる。隣接する上田市は、昭和の30年代までは、養蚕・製糸・織物で発展し、丸子にあるシナノケンシ(株)では、ひと列車を借り切って、工女さんとその家族を、東京見物に招待したという逸話がある。現在では、高分子科学に基づくカーボンシルクの開発など、ハイテク技術開発が進められている。

11月に入ると、里山の紅葉がみごとな季節を迎える。海野宿で蕎麦と胡桃おはぎを食べ、近くの温泉に足を延ばしてみよう。沓掛温泉・別所温泉・鹿教湯温泉などいかがだろうか。旧宿場巡りと洒落て、長久保宿や、少し遠いが、和田宿を訪れ、地元の人たちとの会話を求め、日本人の心に触れるのもよかろ。秋の旅路は、人恋しくもの思う旅である。紅葉の里山に、宿場と蕎麦を訪ねる旅を楽しんでいただきたい。

                平成22年9月27日